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【9/12徳島新聞折込startt掲載いただきました】

  • おえいちプロジェクト管理者
  • 2024年10月15日
  • 読了時間: 3分

 築93年の古民家を再生し交流の拠点へ、

  藍染め体験宿として未来に繋ぐ


・高越山の麓に延びる、吉野川川に架かる川田橋を東に渡ってすぐ、色鮮やかな壁画が目に留まる。

陽光を受けて黒く輝く瓦、丸く膨らんだむくり屋根、白く浮かぶ家紋。凛とした風格をまとうこの建物、28年もの間空き家だったが、今年3月に藍染め体験ができるゲストハウスとして蘇った。再生を手がけたのは、東京・神楽坂に拠点を置く建築設計事務所、株式会社ハテナバコの代表を務める久保田さん。「どうしても壊したくなかった。「ここを残すために何ができるか」を考えて今があります。

 

かつてこの場所で営まれていた坂東商店は、あらゆる生活必需品を扱う百貨店として、食料品や衣服や下駄、せとものや金物などを販売する「町のよろずや」。久保田さんの管祖父が大正3年に創業し、昭和6年に現在の建物が竣工した。米や塩、たばこの専売を行い、戦時中には配給所になったことも。その後は祖父母が店を切り盛りしていたが、祖母が病気で家を離れてからは空き家になっていた。「小さい頃、夏休みになると毎年のように遊びに来ていた思い出のおばあちゃんち。建築を志してからずっと気になっていたんです」。

 

久保田さんと同じくこの家を大切に想っていた兄の急逝と、老朽化による屋根の崩落をきっかけに、2016年から本格的に再生に着手。土台や柱などの構造部の腐食が進んでいたことから、一時は移築も考えたが「この地の土や木で作られた、地域の風土に合った建物。やっぱり生まれた場所で活かすのが一番いいんじゃないかな」とリノベーションへの決意を固めた。

 

大規模な古民家改修リノベーション工事を経た現在の坂東商店は、1階にイベントスペース、2階に客室とスキップフロアのショップを備える。

ゲストルームは2階の和室3部屋。

昭和初期の堤防工事により、1階南側が半地下のような構造に。

 

1階の土間には大谷焼の藍がめが鎮座。藍師の亀田 悦子   さんが独自製法で作る「山川いんべ薬草藍」の藍染め体験ができる。使うのは、栽培から手がけた農薬不使用のタデ藍。原始的な低温発酵で微生物を生かした、肌に優しい薬草藍だ。体験は、麻の手ぬぐいなどのほか、布製品や衣類の持ち込みも受け付ける。

 

奥の広間には囲炉裏があり、宿泊とあわせ薪火料理体験が楽しめる。事前に注文すると、提携農園の野菜鍋セットを用意してもらえる。さらに、トークショーや映画上映会、ワークショップなどさまざまな企画を実施。3月と9 月に行われた「麻植之市(おえいち)マルシェ」は今後も定期的に開催する予定だ。

 

体験やイベントを通して久保田さんが届けたいのは、古民家で過ごすゆったりと心地よい時間。この場所に愛着を持つ人や、空き家の古民家の活かし方を目の当たりにする人が増えれば「この建物はなくならない」と考える。「いつか私の手から離れても、この古民家再生が場づくりから生まれた地域の交流の拠点として残りつづけてほしいですね」。

 

イベント開催予定

■10/19(土)、10/20(日)

「杜人」上映会【Movie & Talk & Live】と大地の再生WS vol.4古民家再生における建物の周辺環境の整備

チケットサイト

 

■11/7(木)、11/8(金)

アイヌの伝道師、顔戸ひろこさんを迎えてアイヌと藍のお話し会

※開催時間や料金など、詳細はInstagramにて確認を

 

坂東商店guest room藍染めと宿〜

徳島県吉野川市山川町川東73-3

0883-33-9843



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